尾道の訪日客増へ結束 – 日本遺産おのみち観光推進協議会
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尾道の訪日客増へ結束

2024年01月28日

尾道市では、訪日観光客(インバウンド)の増加を目的に、地元の宿泊業や土産品業界団体、観光協会などが連携を強化しています。昨年6月に「日本遺産おのみち観光推進協議会」を設立し、モニターツアーや業者向けセミナーを開催。観光客の集中を土日から分散させ、宿泊客や消費額の増加を図ります。


平日の消費拡大を目指す

昨年11月、協議会は中国、ベトナム、インドネシアの留学生18人を対象に、因島の白滝山山頂からの多島美を楽しむモニターツアーを実施。ツアーでは着物の着付けや茶道、写経、船釣り体験、村上海賊関連の史跡巡りなどを提供しました。
広島大学に留学中の符暁巍さん(広島市中区)は、「魚釣りが楽しかった。島々の景色も一生の思い出になった」と語りました。


台湾でのプロモーション活動

昨年10月、協議会は台湾で開催された「日本観光物産博」に出展し、尾道ラーメンなどの特産品をPR。アンケート調査では、訪問経験の有無にかかわらず、尾道の食文化や風景に関心を持つ人が多いことが分かりました。
今年2月には、地元事業者向けの訪日客対応セミナーを開き、台湾人留学生向けの日帰りモニターツアーも実施し、好評を博しました。


平日の宿泊・消費促進の課題

尾道は土日に比べ平日の観光客が少なく、特に観光シーズンには土日の混雑が目立ちます。
県観光連盟の調査では、2019年に尾道を訪れた観光客の1人あたりの消費額は4,000円で、日帰り観光が中心でした。
尾道観光協会の樋本健二事務局長は、「国内旅行者は土日や大型連休に集中しがち。長期滞在する訪日客が平日に宿泊する流れを作りたい」と述べました。


今後の展開

2019年には、尾道を訪れた外国人観光客は推計34万人に上りました。一方、広島市には84万人が訪れており、尾道の誘客にはさらなる可能性があります。
2025年には大阪・関西万博や「世界バラ会議福山大会」などのイベントも控えており、西日本エリアへの注目が一層高まると見込まれています。
協議会は今後、マリンスポーツの体験スポットを紹介する外国語マップを作成するほか、旅行会社と連携し、モニターツアーを基にした独自ツアーを企画する予定です。

尾道国際ホテルの寺岡靖治支配人であり、協議会会長の寺岡氏は「観光の繁忙期と閑散期の差を縮めることで、事業者の経営安定につなげたい。地域の観光産業をさらに発展させていきたい」と意欲を示しました。

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